
こんにちは。かなラボ編集部です。
夏の人工芝グラウンドは非常に高温になりやすく、子どもたちが足裏の熱さを訴えたり、スライディングで皮膚を擦ったりと、特有のトラブルが起こりやすい環境です。保護者や指導者として、どのように環境を整え、子どもたちを守ればよいのか悩むことも多いのではないでしょうか。
人工芝でのトラブルに備えるには、事後の対応だけでなく「事前の準備」も大切です。適切なシューズの選択や、遮熱をうたったインソールなどの用具の検討、ロングタイツなどウェアによる肌の保護、そしてWBGT(暑さ指数)に基づいた環境管理など、複数の方法を組み合わせて準備しておくことがポイントです。
この記事では、指導現場での経験をもとに、少年サッカーにおける人工芝ピッチ特有の環境と、安全にプレーするための用具選び、チームで共有しておきたい事前の備えについて解説します。
- 人工芝グラウンド特有の環境とリスク
- 遮熱インソールやシューズ選びのポイント
- ウェアを活用した摩擦対策
- 事前の備えと環境管理の考え方

少年サッカーにおける人工芝の環境とリスク
人工芝グラウンドの特徴と注意点
人工芝グラウンドはクッション性が高く、土のグラウンドに比べて天候に左右されにくいという大きなメリットがあります。一方で、真夏の直射日光下では特有のリスクも発生するため、環境に応じた準備が必要です。
表面温度の上昇と足元の対策
黒色のゴムチップや樹脂製のパイルは日射を受けると熱を持ちやすく、ピッチ付近の照り返しも強くなります。条件によっては表面温度が60℃を超えることもあり、シューズを履いていても足裏に熱さを感じる場合があります。
足裏に熱さや痛みを感じたときの対応
特に、同じポジションにとどまる時間が長いゴールキーパーや、試合の合間にピッチ上で待機する際は注意が必要です。子どもが「足の裏が熱い」「痛い」と訴えた場合は、シューズを脱がせて日陰で休ませるなど、大人が早めに環境を変えることが大切です。
スライディングによる摩擦への備え
もう一つのリスクが、転倒やスライディングによって皮膚と人工芝が強く擦れることによる摩擦です。乾燥した人工芝や、充填材が偏っている場所では、皮膚への刺激が強くなる傾向があります。
膝や肘、太ももの外側など、地面に接触しやすい部位が露出していると、肌への直接的なダメージにつながることがあります。これを抑えるためには、プレースタイルやポジションに応じたウェアの工夫が求められます。
WBGT(暑さ指数)を用いた環境管理
小学生は大人より地面に近く、体温調節機能も成長途中です。気温だけでなく、湿度、日射、風を含めた暑さ指数のWBGTを確認し、チーム全体で活動判断の基準を設けることが重要です。
| WBGTの目安 | 運動時の考え方 |
|---|---|
| 21℃未満 | 適宜水分と塩分を補給する |
| 21℃以上 | 熱中症の兆候に注意し積極的に補給する |
| 25℃以上 | 積極的に休息を取り激しい運動では休憩を増やす |
| 28℃以上 | 激しい運動や持久的な運動を避ける |
| 31℃以上 | 特別な場合を除き運動は原則中止と考える |
この区分は一般的な目安です。当日の体調や暑さへの慣れによっても状況は変わるため、JFA(日本サッカー協会)の熱中症対策ガイドラインや、大会主催者の最新情報を常に確認し、無理のない活動を心がけましょう。

人工芝を安全に楽しむための用具選び
環境を変えることが難しい場合は、身につける用具を工夫する方法もあります。ここでは、足元の熱さや摩擦に備えるための、具体的なアイテム選びのポイントを紹介します。
遮熱インソールとシューズの選び方
足元の熱さへの備えとして、遮熱をうたった素材を使ったインソール(中敷き)を選択肢の一つとして検討する方法があります。商品によって素材や構造、特徴が異なるため、使用目的やメーカーが案内する性能・使用方法を確認しながら選びましょう。
ただし、厚すぎるインソールを入れるとシューズ内が窮屈になり、靴ずれにつながることもあります。元の中敷きと交換するタイプか、上に重ねるタイプかを確認し、装着後に足指がしっかり動かせるかチェックしてあげてください。
TF(トレーニングシューズ)とAG(人工芝用)の使い分け
ジュニア世代の練習用としては、細かなゴム突起が多数配置され、接地面積が広いTF(トレーニングシューズ)が選択肢になります。一方、毛足の長いロングパイル人工芝での試合などでは、人工芝専用に設計されたAGモデルのスパイクが選択肢になります。
施設によっては「スパイク禁止」といったルールが設けられている場合もあるため、チームや会場の規定に合わせて適切なシューズを選びましょう。また、シューズの中に黒いゴムチップが大量に入り込むと足裏に違和感を覚えることもあるため、休憩時には脱いで中を払う習慣をつけるのも一つの方法です。
長袖インナーとタイツで肌を保護する
摩擦による肌への負担に備える方法の一つは、人工芝と皮膚が直接触れる範囲を減らすことです。長袖のアンダーシャツ、ロングタイツ、スライディングパンツなどを着用し、肌の露出を減らします。
特にスライディングパンツは、太ももからお尻にかけて人工芝と肌が直接触れる範囲を減らすためのウェアとして使われています。パッド入りの商品もあるため、素材や着用感などを確認して選びましょう。夏の暑い時期は、吸汗速乾性や通気性なども確認し、着用時の暑さに配慮してください。
なお、公式戦ではアンダーウェアの色に関して競技規則や大会要項で指定がある場合があります(ユニフォームのメインカラーと同色にするなど)。購入前にチームの指導者にルールを確認するようにしましょう。
日陰の確保とこまめなクーリング
個人でできる用具の準備に加えて、チーム全体で「日陰の確保」と「クーリング(冷却)」の環境を作ることも重要です。テントを用意して待機場所を日陰にする、氷のうやクーラーボックスを準備するなど、ピッチ外で休める環境を整えます。
プレー中に子どもが体調不良や痛みを訴えた場合は、無理をさせず、涼しい日陰へ移動させて休ませることが大切です。体調不良や痛みが強い場合や、症状が続く場合は、自己判断に頼らず医療機関への相談を検討してください。

まとめ:事前準備で安全なプレー環境を
夏の人工芝グラウンドでは、足元の熱さや摩擦に備えておくことが大切です。トラブルが起きてから慌てるのではなく、使用するシューズを確認したり、必要に応じて遮熱をうたったインソールなどの用具を検討したり、肌の露出を抑えるウェアを準備したりすることも、夏の人工芝でプレーする際の備えの一つです。
また、WBGTの確認や日陰の確保など、チーム全体での環境作りも重要になります。保護者と指導者が連携し、必要な準備を整えて夏のサッカー活動をサポートしていきましょう。

